三浦俊彦さんの連載小説 『偏態パズル』 (第 29 回) をアップしましたぁ。今月も一回ありますから、2013 年中に 30 回の連載ですね。三浦センセは平均 20 枚強書いておられるので、600 枚を超えそうな分量といふことになります。すごいですぅ~。こりは内容敵にも分量的にも、あの 『家畜人ヤプー』 を超える奇書になるんぢゃないでせうか。『家畜人ヤプー』 は現在幻冬舎さんから文庫本で刊行されていますが、5 分冊です。正確ではないですが 1000 枚を超える長編であります。
ほんで今回の金妙塾主流派の 『ネオゲリラ』 活動は傑作ですね。ネオゲリラ活動は満員電車内で行われるのですが、三浦センセは乗客の反応を 78 個の熟語によって分類されています。最初の方の「黙視」、「陰視」、「黙惑」くらいならなんとなく分かるのですが、「瀰黙」となると漢和辞典を参照して想像を膨らませなければなりません。もちろん熟語それぞれがおろち学的に定義されています。いわば一種の言語関数なわけで、やっぱ三浦センセは論理学者だなぁと思います。『ブヴァールとペキュシェ』のやうに、おろち学辞典を編纂できるんぢゃないでせうか (爆)。
20 世紀後半から純文学の世界では、良くも悪しくもエクリチュールの時代が続いています。現実世界と密接に関連した衝撃的事件によって読者の耳目を惹き付けるのではなく、書くことそのものを事件として捉え、それを作品として提示する新しい文学の方法です。『エクリチュール元年』といふ著作があることかわもわかるように、三浦センセもエクリチュールの作家です。世界は無限増殖する記号(言葉)総体であり、すべては複雑に交錯し合っている。『偏態小説』 のテーマはセンセーショナルですが、この小説がおろち学の現実と可能性を書き尽くすための作品であることもお忘れなくぅ~。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』 (第 29 回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』 (第 29 回) テキスト版 ■