大野露井さんの連作詩篇 『空白』 『第 005 回 Ⅳ 字』 をアップしましたぁ。『空白』 は全 500 行の詩篇の予定なので、折り返し点まできましたね。フラグメンツの連作とはいえ、500 行の連詩を苦もなく書いてしまわれる露井さんの力量は大変なものだと思います。
ど~も詩の連載は、小説や評論などに比べて遙かに難しいようです。カウントすると、たいていの詩人は 3 年から 5 年に一冊詩集を出すのがせいぜいです。1 冊 30 篇として最速年平均 10 篇ですね。編集者目線の分析に過ぎませんが、こういうところからも詩人さんたちはご自分の仕事を再検討されてみてはいかがかと思います。詩ははっきり言えば 〝ダメ出し〟 の出ない世界です。少しは仕事してね~な~と思った方がいい (爆)。
露井さんの今回の詩篇タイトルは 『字』 です。『借りてきた文字で/仮の名をあげよう』 とあるように、文字通り日本語の文字が表現の中核に据えられているやうな気がします。昔から詩人たちは、日本語の古語や外来語などに繊細な感性を働かせてきましたが、露井さんのスタンスは従来とちょっと違うやうな。強いて言えば、日本語を根本的に相対化する、あるいはエクゾティズムといってもいいような感性で捉えておられるような感じです。新しい世代だな~と、古くなりつつある石川は思うのでしたぁ。
■ 大野露井 連作詩篇 『空白』 『第 005 回 Ⅳ 字』 PDF版 ■
■ 大野露井 連作詩篇 『空白』 『第 005 回 Ⅳ 字』 テキスト版 ■