三浦俊彦さんの連載小説 『偏態パズル』 (第 28 回) をアップしましたぁ。今回もすごい内容ですねぇ。『偏態パズル』 ですからフラグメンツの連続で、それがどこかでフッと合致するわけですが、厳密な整合性を意識しなくてもスラリと読めてしまう小説です。不肖・石川は、今回は金妙塾例会のくだりで大爆笑してしまひました。『おろち芸道』、『おろち言語語学』 と、ほとんど無限におろち学は展開されていくのですねぇ。
それにしても金妙塾ベテラン塾生の会話は秀逸です。彼らは 「逃げ切れてしまったらはじめから逃げる必要がなかったってことなんだよ」 「そう。逃げの一手とはよく言ったもので。逃げなくてもいいと確認するために逃げる続けるのが最善の人生なんですよ」 「だからこそ逃げてしまったことが悔やまれるんだなあ……」 「だからとことん悔いるためにはまず逃げなければならないんです」 と論理的哲学問答を交わします。この問答は弁証法的に統合 (?) されるのですが、キーワードは 「うんち」 (!) です (爆)。very 三浦センセだなぁ。
でもま、比喩的に言うと三浦センセは逃げないですね。画像や動画データが国境なく流通するインターネット時代には、よほどのことがなければ活字本が発禁になることはないと思います。しかし政治・社会に限らず人間の生を巡る問題でも、極めて慎重かつ繊細に扱わなければならないテーマはあります。『偏態パズル』 の主題は危ういものですが、これを正面から取り上げるには高い社会性と知性が必要です。好き勝手にお書きになっているようですが、不肖・石川、三浦センセはまぢ頭いいなぁと思いますですぅ。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』 (第 28 回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』 (第 28 回) テキスト版 ■