露津まりいさんの連載サスペンス小説 『贋物師-フェイク・マスター』 (第 20 回) をアップしましたぁ。去年 10 月の 『安井浩司 「俳句と書」 展』 開催一周年ということもあり、今月は俳句月間になっちゃいましたね。こういう月もあっていいんですが、連載が挟まってくれるとホッとします。文学金魚は総合文学ポータルサイトですからねっ!。今週は俳句はお休みして、ビジュアル系コンテンツをアップしたいと思います。
ほんで総合文学って難しいんですよ。小説批評家の中には、詩はわからんから読まないと公言する方がいらっしゃいます。総合文学と言っても書き手がいなければ、単に色んなジャンルの作品を並べただけになってしまう。当たり前ですが、文学ジャンルを相対化して捉えられる作家が必要なのです。自由詩の詩人で比較的視野の広い作家がいるのは、このジャンルが新興分野で、絶えずアイデンティティの確認を迫られて来たからでしょうね。詩人に比べると、歌人・俳人には短歌・俳句中華思想のようなものが見え隠れすることがあるかな (爆)。
そんで露津さんの最新連載は、嵐の前の静けさといった雰囲気です。狸と狐の化かし合いですね。過去にも骨董を扱った小説はたくさんありますが、露津さんの作品はそれらと質が違うと思います。〝贋作〟 の本質が描かれている。問題は 〝物〟 ではなく 〝人〟 だと言うとあっけないですが、これが一番曲者なのです。主要登場人物は全員悪党ですが世間的常識では計れない。優秀でずる賢い贋作師たちは、人間存在の悪だけでなく、純な部分をも知り尽くしているのだと思います。
■ 露津まりい 連載サスペンス小説 『贋物師-フェイク・マスター』 (第 20 回) pdf 版 ■
■ 露津まりい 連載サスペンス小説 『贋物師-フェイク・マスター』 (第 20 回) テキスト版 ■