谷輪洋一さんの文芸誌時評 『No.002 読楽 2013年6月号』 をアップしましたぁ。『読楽』 さんは久々の登場ですねぇ。金魚屋小説誌時評陣の皆様、もっと 『読楽』 さんの時評を書いてくださいませ~。そんで谷輪さんは佐藤優さんの小説 『外務省DT物語』 を取り上げておられます。佐藤さんは元外交員で、様々な主張はありますが、いわゆる鈴木宗男事件で背任容疑で起訴された方としても有名であります。
そんで佐藤さんの作品は 〝インテリジェンス小説〟 と呼ばれているようですね。日本語だと情報・諜報小説ってことになるのかしらん。9.11の時に、NHKに出ずっぱりで現地情報をレポートしていた手嶋龍一さんもインテリジェンス小説を書いておられます。政治・医療・金融小説などと同様、特定業界内の専門知識がないと書けない小説ジャンルであります。
谷輪さんは 『情報を持つ者は強者であり、持たない者は取るに足りない。つまりは 「インテリジェンス」 とは、強者の側にまわるための情報、さらにはその情報を得るための知恵を指す』 と書いておられますが、その通りでしょうね。業界小説は専門情報を得られる簡易なノウハウ本であると同時に、勧善懲悪的なエンターテイメント小説でもあるわけです。業界小説のヒットの要因は、だいたいそのあたりにあるかな~。
不肖・石川、編集者ですから大ヒットしそうな業界小説は Welcome です (笑)。ただネタ勝負で書けるのは、せいぜい数作でしょうね。もし小説を書き続けるのなら、プラスアルファが必要になります。取材能力を身につけて、ノウハウ+エンターテイメント小説を量産できるようになるのも一つの方法ですし、純文学的な人間心理の闇を作品に盛り込む方法もあります。
いずれにせよ小説を書こうと考えていて、かつ特殊な業界にいるなら、現代ではそれは確実なアドバンテージです。どんどんご利用なさいませませ (笑)。
■ 谷輪洋一 文芸誌時評 『No.002 読楽 2013年6月号』 ■