小原眞紀子さんの音楽批評 『ONGAKU & BUNGAKU BY KINGYO No.005 DiVa/あるいは独りぼっちの音楽』 をアップしましたぁ。新譜 『うたがうまれる』 のリリースに合わせて谷川賢作さんにインタビューさせていただいたので、数人の文学金魚の著者に DiVa 評を書いてもらいました。合計4本アップします。第一弾は小原眞紀子さんです。DiVa のベストアルバム 『詩は歌に恋をする-DiVa BEST』 を中心に論じておられます。
DiVa の音楽は繊細で透明なのですが、歌である以上、僕たちに意味を伝達しています。しかしそれはごく一般的なポップスの曲のメッセージではないんだな。小原さんはそれを 『いじめも、また原爆を連想するイメージも、音によって抒情にくるまれる。人々が手を携えて壁のようにつくりあげている社会からのメッセージでなく、原初的な手触りで捉えられるそれへと、音が還元する。そのように詩を受けとめ、柔らかく変容させる 「歌」 に 「詩」 は恋をする』 と書いておられます。確かに DiVa の音楽には、歌詞の意味を原初に送り届けるようなところがあると思います。
そんで小原さんは批評の中で 『ひとり』 を取り上げておられますが、これ、不肖・石川の大好きな曲です。詩は谷川俊太郎さんで、ラストのセンテンスは 『おかあさんのなぐさめもうるさいだけ/おとうさんのはげましもうっとうしいだけ (中略) ほんとにしぬのはわるいことだから/おんがくもきかずにあおぞらもみずに/ひとりでもくせいまでいってくるわ』 です。この詩、石川の中ではもう DiVa さんの音なしでは考えられません。名曲でありますっ!。
■ 小原眞紀子 音楽批評 『ONGAKU & BUNGAKU BY KINGYO No.005 DiVa/あるいは独りぼっちの音楽』 ■