外賀伊織さんの連載小説 『多摩川左岸』 (第16回・最終回) をアップしましたぁ。外賀さんの『多摩川左岸』 も今回で最終回です。外賀さんは徹底して自作について語らない方で、何を聞いてもすぐはぐらかしてしまわれます (笑)。『多摩川左岸』 についてもそうで、不肖・石川は主人公の貴志君と由美ちゃんの単純なラブストーリーだと思って読み始めたのですが、ど~もそうではないようです。
石川の感覚では、外賀さんの視線に一番近いのは、由美さんのお兄さんでちょっとコワモテの保さんではないかと思います。主人公の貴志君はいわば 〝虚の人〟 です。純愛小説ではありますが、恋人の由美ちゃんの死をきっかけに、冷たくも温かくもあり、また人間が絶対に否定も逃避もできない 〝現実〟 が主人公に襲いかかってくる。その意味で 『多摩川左岸』 はぬるい恋愛小説ではなく、甘美な恋愛幻想を打ち破るところのある残酷な小説だと思います。外賀さんがいつも、『『多摩川左岸』 ねぇ、あれはまあ、ああいうものだよ』 と突き放すようにおっしゃっていた意味が、完結してみるとなんとなくわかります。
そんで外賀さんは、来月から引き続き作品を連載してくださいます。『恋愛・サスペンス・歴史小説は絶対に必要』 (歴史小説はまだ掲載されていませんが) といふ金魚さんの指令が下っているのですね (笑)。外賀さんの次作は若い女性を主人公にした恋愛モノ小説です。外賀さんには詩の連載もお願いしているのですが、その作業はちょっとお休みして小説に集中してもらっています。ご本人は、『石川クンが3ヶ月分は確保しろって言うから、僕は詩を書く時間がないんです』 と文句を言っておられます(笑)。でもストックがてきたら、石川はちゃんとゴーサインを出しますよん。
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■外賀伊織 連載小説 『多摩川左岸』 (第16回・最終回) テキスト版 ■