岡野隆さんの詩誌時評 『No.013 月刊俳句界 2013年01月号』 をアップしましたぁ。鷹羽狩行(たかはしゅうぎょう)さんの連作などを取り上げておられます。新年号といふこともあり、おめでたい句がならんでおります。季語を織り込むことが必須の芸術ですから、こういった句作は俳人の皆さんに必要ですよね。鷹羽さん、無季の句も平気で詠んでおられるようですけど (笑)。
どんな芸術でも自在さは大事です。短歌は短い表現ですし、俳句はもっと短い。自由詩に行数や内容の制限はありませんが、短歌・俳句・小説のような自由詩を書いた人はほとんどいません。自ずから自由詩の掟といふか、形式的縛りはあるわけです。小説は千枚の大作でも書けますが、短歌・俳句・自由詩に比べて自由で自在な表現かといふと、そうでもない。長い小説でも、作家が表現したい主題は恐らく一つです。物理的に作品の文字量が多くても少なくても作品は小さな器で、そこに盛り込むことができる主題はたいてい一つきりなわけです。
ですから書けば書くほど、作家の資質や力量は自ずと明らかになっていきます。一つのわかりやすいハードルは、本をまとめる時に現れます。どのジャンルだろうと、作品を単発で書くのと本にまとめるのは違う質の作業です。簡単に言うと、本をまとめる時には、あきらめが必要です。ここまでしか表現できないと思い切らなければ、本はまとまりません。もちろん一作ですべてを表現したいといふ作家さんがいてもいい。意識してそれができるなら、それはそれで大変な能力であります。
■ 岡野隆 詩誌時評 『No.013 月刊俳句界 2013年01月号』 ■