山際恭子さんの 『TVドラマ批評 No.021 島の先生』 をアップしましたぁ。NHK総合で毎週土曜日9時から放送中の、仲間由紀恵さん主演の離島学園ドラマです。ベテランでは石坂浩二、大地康雄さん、若手では新日曜美術館パーソナリティに抜擢された井浦新さんらが出演されています。都会でイジメや不登校などの問題を抱えてしまった子供たちを 〝留学生〟 として受け入れる学校のお話で、仲間さんは学校の先生役です。
山際さんは 『親子の関係に他人が口出しをするというのは、一筋縄ではいかないのだ。(中略) 問題のある子ほど、いざというときは親の言いなりだ』 と書いておられます。『島の先生』 は社会問題と子供たちの生育、それに島の人たちとのヒューマンな触れあいを描くドラマですが、そこにはテレビドラマ独特の省略とステレオタイプ化があると思います。確かに学校をドロップアウトした多くの子供に強い意志はなく、親の言いなりが多いと思います。島での経験が活きるとしても、それはずっと後のことでしょうね。
山際さんは 『野田知佑さんなどによれば、子供は結局、無言の川や海によって癒やされる』 とも書いておられます。しかしそれを1時間、6回完結のテレビドラマで描き切るのはやっぱり難しいかな。芸術のジャンルは越境可能で相互に影響を与え合うことができますが、ジャンルごとに得意不得意があります。テレビではハピーエンドを楽しみ、残酷かつ理論を超えた何かを表現するのは、テレビに比べると読んだり見たりするのに手間がかかる文学作品や映画が得意なのではないかと思いますですぅ。
■ 山際恭子 『TVドラマ批評 No.021 島の先生』 ■