三浦俊彦さんの連載小説 『『偏態パズル』(第16回)』 をアップしましたぁ。日本が誇る世界的特殊作家、三浦センセの新作です。今回は主要登場人物の印南哲治さんの講義であります。印南さんは 〝大爆死事件〟 で巻き添え死すると予告されていますので、最終講義みたいなものかな。それにしてもすさまじい講義ですねぇ。ソクラテスは青年を堕落させたといふ罪で告発され、全面的に反論した後に死刑宣告されますが、それに近いかな。でも論理展開はソクラテスの弁明も真っ青であります (笑)。
三浦センセはいろんな面を持っておられる方で、小説家の他に、論理学者、サプリメント愛用者 (大量摂取実践者)、ミミズ飼育者 (ミミズ愛好者)、それにちょっと偏態であります (笑)。論理学に基づく社会学者でもあり、『戦争論理学 あの原爆投下を考える62問』 といふマジメな本も出しておられます。小説ではそれらの学問や趣味などが綜合されており、その意味で一番三浦ワールドを認識把握しやすいと思います。
最近では流行らなくなりましたが、ギリシャ哲学では講義や対話が重要な役割を担っていました。それはヨーロッパ小説に確実に引き継がれており、ドストエフスキーの 『大審問官』 や、マルキ・ド・サドの小説での議論などが有名です。日本の小説は内向的独白がほとんどで、講義や対話は少ないですが、三浦さんの小説は別かもしれません。三浦版の 『大審問官』、読んでみたいなぁ。もちろんフィクションですから、どのような社会事象を扱っても、最後は三浦ワールドといいますか、三浦さんの肉体的思想が表現されるわけですが。
■ 三浦俊彦 連載小説 『『偏態パズル』(第16回)』 PDF版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『『偏態パズル』(第16回)』 テキスト版 ■