谷輪洋一さんの文芸誌時評 『No.005 文藝 2013年 (夏号)』 をアップしましたぁ。舞城王太郎さんについて論じておられます。舞城さん、覆面作家のようですね。本名とか顔写真とかを公開しない主義のお方だそうです。それはま、それでいいんぢゃないかと思います。不肖・石川は、作家は基本的に作品が全てなので、別に正確な履歴や容姿を公開しなくていいんぢゃないかと常々思っております。芸能人ぢゃないんだから、作家の顔を見てもそんなに面白くはないです (笑)。
そんで舞城さんは、前衛的純文学小説からミステリー、ラノベまで幅広くお書きになり、イラストまで手掛けられる作家さんであります。中原昌也さんと同じタイプの作家さんですね。文学金魚的総合文学志向といえばいえるのですが、なんかタイプぢゃないなぁ~。不肖者の編集者がそんなこと言っちゃ、ホントはいけないんですけどね (爆)。でもま、金魚さんを始め、石川と同意見だと思われます。
理由は簡単で、制度の中に収まって見えるからであります。やんちゃでムチャクチャやってるように見えますが、どこかこじんまりしている。文学業界のインサイダー的ラディカルという感じがしてしまうのです。体制内反体制派は体制にとって必要ですが、疲弊した体制を立て直す力は持っていないです。詩や小説といった既存の枠組みを超えるのは確かに難しい。またかつての新興勢力がやがて体制化していくのも必然です。しかし既存の枠組みをうまく泳ぎ回る〝術〟で作家の幸福は得られるかもしれませんが、文学そのものにはなんら寄与しないと思うのであります。
■ 谷輪洋一 文芸誌時評 『No.005 文藝 2013年 (夏号)』 ■