岡野隆さんの詩誌時評 『No.009 月刊俳句界 2012年09月号』 をアップしましたぁ。復本一郎さんの評論 『忌日への関心と歳時記』 を取り上げておられます。俳句の世界では作品に季語を入れるのが普通です。そのため季語 (季題) 別に参考になる作品を収録した 『歳時記』 が何種類も編集・出版されています。復本一郎さんの論は、いわゆる 『忌日季語』 を取り上げた評論です。
石川、俳句を読んでいて、よく 『○○忌』 といふ言葉が出てくるのには気付いていました。寺山修司は複数の作品に 『チエホフ忌』 とかを詠み込んでいますものねぇ。でもそれが季語として認知されていることは知りませんでした。やっぱ不肖であります。で、復本さんによれば、江戸初期の 『歳時記』(俳諧季寄) にすでに忌日季語が掲載されているそうです。仏教系の僧侶の忌日が多いとのこと。芭蕉出現以降は、これに俳人たちの忌日が加わっていくわけです。
そんで岡野さんは、初期季寄に掲載された忌日季語から思考を巡らせておられます。詳しくはコンテンツを読んでいただければと思いますが、季語というのは単なる飾りではなく、重要な意味 (意義) を持っているんだなぁといふことがわかりました。勉強になるなぁ。
文学金魚は前衛俳句作家である安井浩司さんの墨書展を企画していて、俳人の皆さんの中には、前衛寄りのメディアじゃないかと感じておられる方も多いようです。でもそんなことはぜんぜんないです。いわゆる伝統俳句もとっても重要です。あんまり片寄って見えないうちに、伝統俳人の方にも登場してもらわなくっちゃだわ。
■ 岡野隆 詩誌時評 『No.009 月刊俳句界 2012年09月号』 ■