露津まりいさんの連載サスペンス小説 『贋物師-フェイク・マスター』(第13回) をアップしましたぁ。贋作古美術を扱うお話なので、ちょい専門用語が混じっています。わかりにくい言葉を露津さんにお聞きしましたので、メモ風に書いておきますね。
・ 預かり = 古美術商が、お客さんから品物を買わずに預かってきて、それが売れたら代金を決済するシステムのこと。
・ 乾山 = 琳派の創始者として有名な尾形光琳の弟で、江戸初期の陶工。非常に贋作が多く、また精巧な贋作も多数ある。戦後、栃木県佐野市で乾山作の陶器が大量に発見され、市場で売買されたが、後に贋作と判明した。この時に出回った乾山を骨董業界では 『佐野乾山』 と呼ぶ。
・ 通る = 〝骨董として通る〟 の略語で、古美術業界の一種の隠語。たいていは贋作の可能性がある品物 (疑問作) に対して使われる。〝ちょっと疑問が残るし、本当の目利きは買わないかもしれないが、ほとんどの骨董好きにはホンモノとして通るよ〟 といった意味。
そんで 『南瓜の馬車の影から大観覧車の方へ、王子を見つけた花嫁のごとく、彼は再び一気に走った』 という、今回の連載の最終部は美しいですねぇ。そかそか、雲間さんはシンデレラなのね、と深く納得しました。灰かぶりでかつ高貴な人。でも12時の鐘が鳴ったら元に戻ってしまうお方のようでありますぅ。
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