鶴山裕司さんの 『BOOKレビュー・詩書』 『No.002 多行俳句の世界分節-林桂句集『はなのの絵本 りょうの空』』 をアップしましたぁ。林桂 (はやし けい) さんの新句集の書評です。不肖・石川、不肖ですので林桂さんは存じ上げなかったのですが、俳誌 『鬣(たてがみ)』 の主宰で、自由詩と同様に行分けする形式の俳句をお書きになる俳句作家の方です。
句集 『はなのの絵本 りょうの空』 は、林さんの二人のお子さんを題材にした句集です。ただし鶴山さんが書いておられるように、写生的な子育て俳句ではなく、それを多行俳句独特の言語表現に高めようという意図で作られた句集です。書評での引用作に 『以心(いしん)/牛丼(ぎゅうどん)/替芯(かえしん)つんつん/春彼岸(はるひがん)』 がありますが、心地よい音感です。作家が楽しく作品を作った手触りが伝わってきます。
石川は手に取っていないのですが、『はなのの絵本 りょうの空』 は文庫本サイズの句集で 『風の花冠文庫』 の中の一冊です。『風の花冠文庫』 の発行元は 『鬣の会』 で、林さんが代表を務めておられます。俳誌 『鬣』 は雑誌と書籍の版元を持っておられるわけで、こういふところにも最近の出版界のトレンドというか、流動的状態を感じます。
最近になって小出版が増えていて、ますます出版界全体の動向を把握することが難しくなっています。でも文学金魚ではできるだけ出版界を網羅的に捉え、 『これはいいっ!』 と感じる本は、どんな著者、版元でもどんどん取り上げていきたいと思いますですぅ。
■ 鶴山裕司 『BOOKレビュー・詩書』 『No.002 多行俳句の世界分節-林桂句集『はなのの絵本 りょうの空』』 ■