池田浩さんの文芸誌時評 『No.003 J-novel 2013年01月号』 をアップしましたぁ。J-novel さんの時評、久しぶりですね。今年の NHK 大河ドラマの主人公・新島八重さんの特集が組まれています。池田さんも書いておられますが、昨年の NHK 大河ドラマ 『平清盛』 は残念な出来でしたねぇ。役者さんたちはすんごい頑張っておられましたが、シナリオが非常にまずかったと思います。
平清盛を主人公に据えるのはいいんですが、その元資料は 『平家物語』 です。そして 『平家物語』 は日本の歴史書で一番面白い作品です。駄作になった原因は 〝平清盛物語〟 にするのか 〝平家物語〟 にするのか、スタンスが決まっていなかったことでしょうね。清盛個人の 〝人格〟 を描きたいのか、それが相対化される 『平家物語』 = 平家・源氏・公家の総合的な物語を描きたいのかはっきりしなかった。『平家物語』 の主題は 〝諸行無常〟 ですが、その主題を外したいのか取り入れたいのかすらはっきりしていなかったと思います。
NHK 大河ドラマは、男性・女性主人公を交互に取り上げるのが最近のルールのようです。白虎隊の悲劇を含む会津戦争で一年間見せることはできないでしょうから、御維新後の平和な世の中になってからが勝負だと思います。頭の方に 〝大合戦〟 が来て、その後の展開は 〝小事件〟 の積み重ねになるわけですから、台本には相当な工夫が求められるでしょうね。ライターと役者さんの腕の見せどころでもあるわけで楽しみであります。
■ 池田浩 文芸誌時評 『No.003 J-novel 2013年01月号』 ■