岡野隆さんの詩誌時評 『No.006 月刊俳句界 2012年06月号』 をアップしましたぁ。特集は 『風狂の俳人たち』 で、サブタイトルは 『~風狂俳人たちの壮絶なる生涯~』 です。風狂は、人ごとならなるほどすんごいなぁと感心することができますが、自分の身に降りかかるとなると、『平穏な暮らしがいいですぅ』 と言いたくなってしまひますね (笑)。
岡野さんもちょっと書いておられますが、文学は、人生がマジで波瀾万丈だと書けないものだと思います。芭蕉は旅の詩人ですが、各地の門弟(裕福な素封家が多かった)を頼る、かなり周到に準備した上での旅を繰り返しました。山頭火や放哉も同様ですね。確かに彼らの人生は波乱に富んでおり、貧乏でしたが、意外なほど静かな生活を送ってもいるわけです。
ただ俳句に限りませんが、ギリギリまで自己を追い込んだ作家しか傑作と呼ばれるような作品を書き残していないもの確かなようです。その追い込みが、人生の波乱を含むかどうかは作家次第ですね。毎日決まった時間に起きてご飯を食べる、決まり切った生活をしている作家でも、風狂と呼ばれる極点(極端)は起こせると思うわけであります。
■ 岡野隆 詩誌時評 『No.006 月刊俳句界 2012年06月号』 ■