水野翼さんの文芸誌時評 『No.009 すばる 2012 年 12 月号』 をアップしましたぁ。昨年 (平成 24 年) 10 月 13 日にお亡くなりになった、丸谷才一さんの追悼特集を取り上げておられます。文壇の大物らしい作家さんでしたね。ちょっと言いにくいですが 〝とにかく偉い先生〟 という印象の作家さんでした。
誰にでも作品の好き嫌いや、鑑賞ポイントのズレのようなものがあります。不肖・石川、残念ながら丸谷さんの作品の素晴らしさが理解できませんでした。ただ丸谷さんの先生ぶりは立派だったと思います。嫌味で言っているわけではありません。ああいった形で作家の威厳を誇示する方は必要だったと思います。編集権がどんなに強くなろうとも、作家がいなければ文壇は成り立たないのです。
一人の作家が亡くなった時から、その作家の仕事の評価は生きている作家に移ります。もし追悼文に魅力がないとすれば、それは亡くなった作家のせいではなく、生きて書いている作家の責任です。丸谷さんを愛慕する作家さんは大勢いらっしゃると思います。丸谷さんについて書く作家の方には、彼の仕事の魅力を十全に伝え、その仕事が意味のあるものなら継続的に検証し続けてくださるようお願いしたいです。
■ 水野翼 文芸誌時評 『No.009 すばる 2012 年 12 月号』 ■