後藤弘毅さんの連載映画批評 『No.033 『ゴースト・フライト 407便』―密室パニック映画における革新性』 をアップしましたぁ。2 月 23 日から全国ロードショー開始の新作映画ですが、あまり日本では上映されないタイ映画で、しかもホラーです。後藤さんはホラー映画の専門家といっていいですから、映画をご覧になる前に後藤さんのコンテンツをちぇきらっ!であります。
ホラー映画は 1970 年代くらいまでは、圧倒的にアメリカ映画がヒットしていました。キリスト教の神と悪魔の闘いの主題ですね。今でもそういう映画は多いですが、80 年代後半から状況が変わってきました。ポスト・モダン思想の台頭というと面倒くさいですが、キリスト教的世界観(神と悪魔の対立、神の代理人である人間による世界支配思想)が薄まってきたことが大きく影響していると思います。欧米でのエコロジー思想の隆盛もその一環ですし、中心なくどこまでも網の目のように拡がるインターネットの普及も人間の世界観を大きく変えたと思います。
ジャパニーズ・ホラーは意識的にか偶然かわかりませんが、このポスト・モダン的流れに乗って、世界的な注目を集めたように思われます。スタティックなキリスト教的構造から恐怖が生じるのではなく、世界を構成する無限の網の目の破れ目から恐ろしい何かが生じるわけです。この構造は東洋世界全般で見られます。タイのホラー・パニック映画、楽しみでありますぅ。
■ 後藤弘毅 連載映画批評 『No.033 『ゴースト・フライト 407便』―密室パニック映画における革新性』 ■