金井純さんの 『親御さんのための読書講座・中学受験篇』 『No.002 あさのあつこ著 『バッテリー』 をアップしましたぁ。中学受験で必読書とされている小説作品のブックレビューです。あさのさんの代表作の 『バッテリー』 は、1000万部を超えるベストセラーになったようです。すごいですぅ。
『バッテリー』 はいわゆる児童小説に分類されると思いますが、その心理描写は極めて繊細で高度に抽象的であります。しかしそれが野球といふ肉体感覚に基づいているために、無理なく読者の心に響いてくるのだと思います。内容的に簡単だから児童小説、複雑ならその範疇外とはいちがいには言えないですね。
物書きさんが一番苦労するのは、簡単に書くことだと思います。難しいことをさらりと簡単に書くのが一番難しい。若い時は、難しい書き物にやたらと魅力を感じる時期がありますが、それがだんだんまやかしといふか、ごまかしだと気づき始めることがあります。
夏目漱石先生は 『我が輩は猫である』 で、主人公の猫に 『苦沙弥先生はなんでもかんでも難しい書き物をありがたがる癖がある』 と言わせています。といふことは漱石先生も、若い頃は難しい書き物をありがたがって読んでいたんでしょうね(笑)。
■金井純 『親御さんのための読書講座・中学受験篇』 『No.002 あさのあつこ著 『バッテリー』 ■