山本俊則さんの美術展時評 『No.016 ボストン美術館 日本美術の至宝』 をアップしましたぁ。アメリカボストンにあるボストン美術館は、世界でも有数の日本美術コレクションを所蔵しているんですねぇ。不肖・石川、ちっとも知りませんでした。
そんでなんでかといふと明治の初年代に、日本に来たアメリカ人の方々が、日本美術に魅了されて作品を買いまくったようなのです。教科書でおなじみの、大森貝塚を発見したモースさんとか、フェノロサさんなどがその中心だったようです。あ、ビゲローさんというお金持ちも、フェノロサさんの指導でコレクションにはげんだようです。
で、彼らのコレクションの仲介といふか、アドバイスをしたのが岡倉天心であります。これだけでも凄いメンツですね。いいコレクションが集まるわけです。天心は『茶の湯』とかの日本文化論の本を英語で書いていますが、これはボストン美術館で要職に就いていた時にアメリカで書いたようです。明治維新後の数少ない国際人の一人だなぁ。
文化的パースペクティブで見ると、フェノロサや天心が活躍した明治10年代から30年代くらいは、とても面白い時代だと思います。すべてが混乱していましたが、そこからその後の日本文化の基盤が生まれてきた時代でもあります。山本さんの興味も、どうやらそういった長いスパンの美術史にあるようです。
■ 山本俊則 美術展時評 『No.016 ボストン美術館 日本美術の至宝』 ■