後藤弘毅さんの連載映画批評 『No.024 『007 スカイフォール』―英国的主題、あるいは伝統と革新の混合』をアップしましたぁ。現在ロードショー公開中の 007 シリーズ最新作です。007 シリーズは人気の娯楽映画という位置づけですが、それを 『英国的主題、あるいは伝統と革新の混合』 と読み解かれるあたり、後藤さん、さすがですぅ。
主演のダニエル・クレイグさんは、今年開催されたロンドンオリンピックにも登場されていましたね。バッキンガム宮殿にエリザベス女王をお迎えに行き、開会式会場の上空でホバリングするヘリコプターから、女王と一緒にパラシュートで降下するという役どころでした。最も 007 らしい役者さんとして愛されている方であります。
オリンピックの開会式を見ていてつくづく思ったのですが、イギリスはコンテンツの宝庫であります。ビートルズを始めとするロック・ポップミュージックはもちろん、『不思議の国のアリス』から『ピーターパン』、『メリーポピンズ』、『ハリー・ポッター』まで、ファンタジー児童文学の世界でもコンテンツが尽きることがありません。資本主義世界の底力を感じるとともに、その歴史的な厚みの重要性も感じさせられたのでした。
007シリーズもイギリスが誇るコンテンツの一つですが、最初の映画『ドクター・ノウ』は1962年公開で、もう半世紀が経つんですね。最新作はそのような『伝統』を意識的に踏まえながら、『革新』的要素も織り込もうとした作品のようです。娯楽映画は多くの人が見るからこそ、時代を映す鏡という面があると思います。やっぱイギリスの文化的コンテンツは奥深い。見習うべき点、大でありますぅ。
■ 後藤弘毅 連載映画批評 『No.024 『007 スカイフォール』―英国的主題、あるいは伝統と革新の混合』 ■