後藤弘毅さんの連載映画批評 『No.023 『ブラック・スワン』-いかにして重圧は表現されたか』 をアップしましたぁ。主演のナタリー・ポートマンさんがアカデミー主演女優賞を受賞した作品です。まあいまさらの感想ですが、映画 『レオン』 で子役をなさっていたポートマンさんは、こんなに大人の女性になられたのですねぇ (爆)。
『ブラック・スワン』 は一流バレエ団で 『白鳥の湖』 の主役を射止めたバレエ・ダンサーが、重圧に押し潰されがちな心理的苦闘を映像化した作品です。監督のダーレン・アロノフスキー監督はインディーズ映画出身の方のようです。後藤さんによると、1913年制作のドイツ映画『プラーグの大学生』という映画の手法が『ブラック・スワン』に取り入れられているようです。『プラーグの大学生』も面白そうな映画であります。
『白鳥の湖』 がホワイト・スワンとブラック・スワンに分裂しているように、欧米には世界を善と悪、神と悪魔に分類する二元論があります。しかし世界はそんなに単純ではないわけで、善と悪が入り混じり、神と悪魔が混交する世界がそれに続くわけです。『ブラック・スワン』 も一筋縄ではいかない結末に向かって物語が突き進んでいくようです。
異常なまでの高い跳躍力を誇ったバレエ・ダンサーのニジンスキーは精神を病み、『その高みで僕は神と口づけした』という意味の言葉を口走りました。バレエという芸術は美しいですが、その根底に神々しいような狂気を秘めているやうです。
■ 後藤弘毅 連載映画批評 『No.023 『ブラック・スワン』-いかにして重圧は表現されたか』 ■