後藤弘毅さんの連載映画批評 『 No.022 『アナザー Another』』 をアップしましたぁ。学園モノ、ミステリーホラーモノがお好きな後藤さんにしては、ちょい辛めの映画評であります。詳しくはコンテンツをお読みいただければと思いますが、ホラーやコメディは、映画で一番難しいジャンルですよねぇ。
後藤さんが書いておられるように、学園ミステリーホラーの恐怖は『コミュニケーション力や適応力、社会的責任が未熟な子供たちが、学校という閉じられた子供社会の中で繰り広げる無数の暴力や孤独、哀しみから表出される恐怖』だと思います。一種の共同幻想であります。共同幻想が冷静に判断すれば存在するはずのない『魔』を生み出し、それを共同体の全員が信じることで『魔』がほとんど実在のものになっていくわけです。
このような共同幻想に支配される場所として、学校はまことにふさわしい。また時に性差も、現実と想像の区別も曖昧な子どもという存在が幻想をより強くさせるわけです。学園ミステリーホラーには一種の文法があるわけで、その文法を踏まえながら、どこまで新しいことができるのかが制作者側の腕の見せどころということになります。
現実には誰にも見えない共同幻想が『絵』となって繰り広げられるのが学園ミステリーホラー映画のだいご味だと思いますが、『アナザー Another』はその点でちょっと物足りなかったみたいですね。
■ 後藤弘毅 連載映画批評 『 No.022 『アナザー Another』』 ■