有富千裕さんの文芸誌時評 『 No.001 文蔵 2012 年 07 月号』 をアップしましたぁ。『文蔵』の時評は第1回目だったのですね。あらら。もっと取り上げねば。てことで、金魚さん(齋藤都代表)の総括を読み直しました。PHP研究所さんが出版されている文庫版サイズの文芸誌であります。そそ、文庫版型の文芸誌なら電車の中でも読みやすいです。
以前、電車の中で文芸誌を読むのはなんでちょ~恥ずかしいんだろ、って話をブログで書いたのでした。平気な方もおられるでしょうが、石川はちょ~恥ずかしい。なんか特殊な人種に見られてしまふような気がします。科学・経済誌ならいい意味で特殊=スペシャリストのイメージなんですが、文芸誌だとギョ~カイ人、もしくはヒマ人のイメージです(笑)。
有富さんは『文蔵』連載の篠田真由美さんの小説『ホテル・メランコリア』を取り上げておられます。ホテルのレストランシェフの独白小説、いわゆる一人称一視点小説であります。この書き方は、連載を途中から読んでもすっと物語の中に入り込めるもののようです。有富さんは『雑誌媒体での連載小説において新たな読者を獲得するには「作品への親しみやすさ」が大きな鍵となるのです』と書いておられますが、そのとおりだと思います。
また有富さんはときおり小説は音読されるようで、『音読しやすい小説というのは、音楽の持つリラクゼーション性もあいまって、途中参加の読者をも、物語の世界に自然に緩やかに巻き込んでゆく』と書いておられます。これも確かにそうですねぇ。明治くらいの小説を読むと、音読している情景がよく描かれています。話言葉と書き言葉は違うとはいえ、特に小説の場合、読みにくさは読者を遠ざけるでしょうね。文学金魚、音の重要性についてもちょっと考えてみなければなりまへん。
■ 有富千裕 文芸誌時評 『 No.001 文蔵 2012 年 07 月号』 ■