樂月慎さんの連載小説 『檸檬に、キスマーク』 の『 第 3 回 ビンゴでホシノグソ 』 をアップしましたぁ。なんか身につまされる小説ですねぇ。すんごい乱暴な言い方かもしれませんが、『大人』 なんてどこにもいないって感じがしますです。もちろん子どもは子どもなんだけど、ズバリと真実を衝いてくるところは、大人よりも大人なわけでして・・・。
樂月さんの小説世界は一種独特で、ある種の社会コードの破壊が一つのテーマになっているような気がします。破壊というより逸脱かな。それが肉体に根ざしたどうしようもない逸脱だから、なんか自分の手をじっと見つめてしまうような身につまされ方を感じてしまうように思います。
もちろん誰にとっても無限の自由なんてものはないわけです。もしあったら、人間はまず、無限の自由をできるだけ小さくして、居心地の良い場所を確保することから自由意志を行使するでしょうね。それが大人になるということなんでしょうが、逸脱していく部分は必ずあります。取り逃がした、あるいは生きてゆくために疎外してしまった自由が、次第に重みを増してゆくわけです。
僕たちは社会的制度とコードでがんじがらめになって生きているわけですが、いつも逸脱の欲望を抱えています。不肖石川は編集者として、作家さんには、表現内容と発表の場においては自由であってほしいと思いますですぅ。
■ 樂月慎 連載小説 『檸檬に、キスマーク』 『 第 3 回 ビンゴでホシノグソ 』スライドショー版 ■
■ 樂月慎 連載小説 『檸檬に、キスマーク』 『 第 3 回 ビンゴでホシノグソ 』テキスト版 ■