後藤弘毅さんの連載映画批評 『No.006 『犬神の悪霊(たたり)』にみる逸脱の美学』 をアップしましたぁ。1977 年公開の日本のホラー映画で監督は伊藤俊也さんであります。『女囚さそり』 シリーズや 『誘拐報道』 なんかも撮っておられる監督さんです。
で、『犬神の悪霊』 という映画、そうとうにハチャメチャな内容のようです。後藤さんは映画のクライマックスシーンを 「構造破綻の連続性における集大成」 と呼んでおられますが、単に混乱した粗悪な映画ではなく、一つの強い意志をもって従来の映画的構造を破綻させている作品だということです。ちょっと見てみたくなる映画ですねぇ。
後藤さんはまた、『犬神の悪霊』 の特徴を 「コラージュの美学」 とも呼んでおられます。「本作は他の映画作品をコラージュする混成映画の代表的な作品である」 とのことです。この視点は面白いですねぇ。映画に限らず日本文化はコラージュ的です。片っ端から外国の新思想や技法などを取り込んでいきます。たいていの国は自国文化を守るために、多かれ少なかれ外国文化を規制するのですが、日本はまったくそんなことをしません。
で、それによって日本文化が変わるかというと、そうでもない。日本文化は傲慢なほど強い基盤を持っており、だからこそ平然と外来文化を取り入れることができるとも言えます。後藤さんのコンテンツを読んで、なぜハリウッドなどが日本のホラー映画に影響を受けるようになったのか、石川はちょっとだけわかったような気がしたのでしたぁ。
■『No.006 『犬神の悪霊(たたり)』にみる逸脱の美学』 URL■