岡野隆さんの詩誌時評総論 『月刊俳句界とは』 をアップしましたぁ。釈照太さんの 『角川俳句』 時評がもう始まっていますので、商業俳句雑誌では 2 誌目の時評です。ほかにも 『俳壇』 (本阿弥書店) や 『俳句四季』 (東京四季出版)、新聞・メディア系の 『俳句あるふぁ』 (毎日新聞社)、『NHK俳句』 (NHK出版)、『俳句朝日』( 朝日新聞出版本部) などがありますが、時評者がみつかりしだいアップしていきたいと思います。なにせ俳句には 1 千万人の愛好者がいるといわれますから、商業誌の数も多いのであります。
『月刊俳句界』 の時評者・岡野隆さんには、ちょっと書きにくいこともあえて書いていただきました。別に俳壇に限らないですが、どの世界も外から見るとわからないことだらけですよねぇ。インサイダーになればなるほど、不可解なことがらがよく見えてくるという面があるようです。商業文学雑誌は各文学ジャンルの、現在進行形の 「文学現場」 であるわけですが、外の世界から見ると、実に奇妙なルールや慣習があったりするわけです。当事者にとっては当たり前のことでも、それをオープンにすることで、なにかが変わっていくということもあるのではないかと思います。
あ、文学金魚はオープニングイベントで安井浩司氏の墨書展を開催しますが、前衛俳句だけに注目しているわけでは決してありません。俳壇のメインストリームである伝統俳句もとても重要だと考えています。でも伝統俳句の世界って、外からはとても捉えにくいんですよ (笑)。20 世紀文学には共通言語とでもいうべき書き方 (論理的批評言語) があります。しかし伝統俳句の批評の多くは、この共通言語で書かれていないわけです。代表的なものが評釈などの印象批評ですね。「かもしれない」 や 「~と解釈できる」 では、批評的共通言語にならないわけです。というわけで、僕らはある程度厳密な論理で俳句を論じられる方を探しているわけです。