山際恭子さんのテレビドラマ批評『No.002 悪女について』をアップしましたぁ。有吉佐和子さん原作の『悪女について』が沢尻エリカさん主演でドラマ化されたのですね。知りませんでした~(汗)。どうも沢尻さんのプロモビデオ的ドラマに仕上がっていたようですが、視聴率はどうだったんでしょ。テレビ業界のことはちっともわかんないですが、ドラマの内容のできふできにかかわらず、いわゆる数字が取れる俳優さんが重宝される業界なんでしょうねぇ。
ドラマとか映画はなかなか難しいジャンルだと思います。山際さんはテレビドラマ批評の『No.001 平清盛』で「ドラマはホン(脚本)だ。つくづくそう思う」と書いておられます。脚本が良ければドラマの質があがる可能性が高まるわけですが、小説の名作を原本にしてもいい脚本ができるとは限らないようです。テレビ・映画は映像が中心なわけですから、原作の本質を捉えてそれを脚本化する能力が求められるのだと思います。
最近の嗜好の多様化、先が見えない不透明な時代的雰囲気を反映して、テレビ・映画業界では過去作品のリバイバルが花盛りです。誰もが知っているベストセラー小説や、昔見たことのあるアニメの実写化では確実なファンの存在が見込めるので、視聴率や興行収入が計算しやすいということなんだろうと思います。
だだまあそれではちょっとさみしいですねぇ。テレビ・映画ではマンガ原作のコンテンツが増え、小説原作が減っているのもちょっとさみしいですぅ。最近の小説原作の映画でちょこっと話題になったのは村上春樹さんの『ノルウェイの森』くらいかな。『ノルウェイの森』については賛否両論いろいろありますが、映像を思い浮かべやすい小説であったのは確かなように思います。その点で春樹さんはやっぱり現代を捉えているんでしょうねぇ。
文学に限らないですが、どの表現ジャンルでもその形態はゆっくりとしか変わっていかないと思います。ただ昨日のブログでも書きましたが、ネットや電子ブックの普及は、やはり文学にも影響を与えずにはおかないと思うのです。文学にとってもビジュアル化は避けては通れない課題でしょうね。
文学金魚はネット上の総合文芸誌なので、各コンテンツでできるだけ写真などの図版情報を掲載するように心がけています。写真を掲載したからといって、文学がビジュアル化されるわけではないですが、形式が内容に影響を与えることはしばしばあると思います。ビジュアルを多用してみることでなにかが変わるのか、変わらないのか、それを見極めることも文学金魚の大事な試行錯誤ポイントなのであります。