りょんさんの詩誌時評『No.001 現代詩手帖 2012年4月号』をアップしましたぁ。いやけっこう大変でした。りょんさんは実はだいぶ前からの僕の仕事上の知り合いで、詩がお好きなので時評をお願いしたのでした。本業はイラストレータでデザインも手がけられますが、「やっぱ小説より詩の方が、イラスト描くときのインスピレーションになるね」とおっしゃっていたことがあります。
たしかに詩と絵は相性がいいようです。小説だと絵は物語を説明する添え物になってしまうことが多いように感じます。しかし詩と絵だと、それぞれが独立して火花を散らしながらも融合しているような素敵な詩画集に仕上がることがあります。だいぶ前の本ですが谷川俊太郎さんと香月泰男さんの『旅』はよかったなぁ。あ、金魚屋プレス日本版から出版されている小原眞紀子・憲二さんの『メアリアンとマックイン』も素敵です。親子だからかなぁ、詩と絵がかみ合っているように感じました。みなさまよろしくですぅ(笑)。
で、仕事場も比較的近いので、りょんさんのところにご機嫌うかがいに行きました。りょんさん「ああ、石川君」と言って僕をじろっと見る。う~なんかやな予感。どさっと机の上に『現代詩手帖』を置いて、「マジ超わかんないんだけど。石川君もこの雑誌、読んだんだよね」と単刀直入に斬り込んで来られましたっ。あ、それをりょんさんにお願いしたんですけどぉ・・・。
「これはさぁ、一種の業界誌ってことでいいんだよね。繊維新聞とか、月刊住職とかさ」
「ゲッ、ゲッカン住職ぅ?」
「あったんだよ。お寺さん向けのそういう雑誌が」
「へ~」
「トリビアじゃないっ!マジ読むとこないんですけど。作品はつまんねーし、こっちが殊勝な気持ちになって勉強しようと思っても読むとこねーし。地震とか時事問題扱っててもワイドショーのコメンテーター以下だし。わけのわからん業界ネタのオンパレードにしか思えないんだけど」
「ふんがっほげっ」
「あー、それ、むかしのサザエさんのエンディング。来週に続くってか・・・あほっ!」
といふわけで、なぜか僕が叱られて帰ってきたのでした。でもまありょんさんの感想にも一理あります。俳句短歌もそうですが、詩の傑作ってのは雑誌ではめったにお目にかかれないでしょうねぇ。傑作の絶対数が少ないわけですから。小説のように誰にでもわかる物語もないので、凡作だとなお読むのは辛い。それに、俳句の世界のように、ハウツー的な詩の書き方も掲載されてないようです。学習しようとしても「詩とはなにか」的な記事が見当たらない。確かに小説文芸誌よりも詩の雑誌の方が、業界誌的な性格が強いのかもしれません。
う~ん、せっかく時評を始めてもらったのに、こりはちょっとした危機であります。『現代詩手帖』さん、もっとがんばって面白い誌面にしてくださいっ。てゆーか僕自身も、もうちょっと詩を勉強する方向で頑張ります。金魚屋の詩人さんたちにお聞きしても、「現代詩手帖、読んでないからなぁ」で終わりなんですぅ。詩は苦手だなぁ…。う~困った。