第2回『Interview of Gold Fishes』、寺田農さんの『池袋モンパルナスへの旅』後半をアップしました。例によってpdf版とテキスト版の2種類です。それと山本俊則さんの論考『池袋モンパルナスについて』の後半もアップしましたぁ。インタビューとあわせてお読みいただくと、池袋モンパルナスがどんな芸術家村だったのかよくわかると思います。
『Interview of Gold Fishes』は、基本的には『旅を読む』をテーマに、各界の有識者の方にインタビューさせていただくシリーズです。当分のあいだ前・後半に分け、2ヶ月に渡ってインタビューを掲載していく予定です。インタビューイー(インタビューされる側の人)に思うぞんぶんにお話していただきたいので、ロングインタビューになっているからです。ただ一挙掲載してほしいというリクエストもちらほら届いていますので、長さなどによっては、今後、1回で全部掲載ということもあるかもしれません。
以前ブログで書きましたが、僕は池袋モンパルナスについてなにも知らなかったので、今回の寺田さんのインタビューと山本さんの論考はとても参考になりました。完璧ではないですが、池袋モンパルナスについて具体的なイメージを持てるようになりました。
確か森鷗外だったと思いますが、文筆家は自分の文章を、読者に強制的に読ませることはできないと書いていました。確かにその通りです。テレビなどの映像メディアは、受動的媒体という面があります。なんとなく見ていて、「へ~そうだったのか」と思うことがしばしばあります。でも本などは読もうと思わないと手に取らない。自分の意志で読み始める能動的メディアなわけです。読者が「よし、読むぞ」と思い立ったときに、必要十分な情報がそこに掲載されているのが理想です。それは文字で掲載される以上、インタビューなどでも同じだと思います。
今回はちょっと無理をいって山本さんに論考を書いてもらいましたが、良かったと思います。おかげで寺田さんのインタビューを中心とした『池袋モンパルナス』の小特集を組めました。寺田さん、ありがとうございました。山本さんもお疲れ様です。金魚屋では単にインタビューを掲載するだけでなく、今後もインタビューのテーマや、インタビューイーさんたちの活動などについても、できるだけフォローしていきたいと思いますですぅ。
で、文学金魚トップページのイベント欄にも掲載していますが、現在、岩手県立美術館で、池袋モンパルナスを代表する画家の一人、松本竣介の生誕100年記念回顧展が開催されています。もう終わりましたが、4月14日に寺田さんと、松本竣介さんのご子息で建築家の莞(かん)さんが美術館で対談されたようです。
僕は山本さんが岩手まで見に行かれるとおっしゃっていたので、もしカタログがあったら買ってきてくださいとお願いしたのですが、先日、それを受け取らせていただきました。立派なカタログですよぉ~。山本さんによると、あと10年か20年くらいは、松本竣介の画業を知るための基本資料の一つになるだろうということです。
なぜか美術館HPではカタログ販売されていないようなのですが、多分、通信販売もできると思います。興味のある方はぜひ岩手県立美術館に問い合わせてみてください。価格は2,300円で414ページの大冊です。べつに美術館の回し者ではないのですが、お近くの方は美術館に足を運んでみてください。いい画家だと思います。
松本竣介は昭和23年(1948年)に36歳で夭折してしまった画家なので、画風が完成されていたとは言えないかもしれませんが、とても素敵な具象画を描いた画家です。僕が好きなのはお茶の水のニコライ堂のシリーズです。じーっと見ていると心がなごみます。といふわけで、久しぶりに画像ア~ップでござるっ!。