池田浩さんの『幽 2012年2月号(16号)』の時評をアップしましたぁ。金魚屋の時評者の間では、『幽』や『怪』といった幽霊や怪談専門の文芸誌の評価が高いようです。他誌よりも目的がはっきりしているのが一番の理由ですが、池田さんが「小説作法にかぎって言えば、怪談にリアリティを与え、同時に客観視した平静さを与えるのは、ディテールの描写だろう。(中略)文学が持つべき本来的な緊張感が否応なく要請されるという意味で、文学者も子どもと同様、「怖い話」によって鍛えられるのかもしれない」と書いておられるように、作家の力量が試されるジャンルでもあるからだと思われます。
僕もホラー物、大好きなんですが、このジャンル、けっこう難しいと感じることが多いです。怖がらせようと思って書かれた作品は、すぐ底が見えてしまいます。日常が無理なく異界に繋がっているような作品が一番怖い。落語なども同じですが、人を怖がらせるための創作は、正反対にあるお笑いと同じくらい難しい。カッチリとした状況設定をどう崩すのか、その切り口が作家のテクニックになっているようです。
で、話は違いますが、4月22日に金魚屋詩部門の皆さんが会合を持たれ、金魚屋プレス日本版と文学金魚HPのオープニングイベントが正式にスタートしました。原稿では腰が重い金魚屋詩人さんグループがようやく本格的なお仕事を始められたようで、石川はとても嬉しいです(笑)。イベントは10月頃に開催される予定ですが、とりあえず関係者の承諾を得ることができて安心しています。
詩人さんたちにレポートを作成してもらい、今週末までに金魚さん(齋藤都代表)や詩人さんたち、それに制作スタッフを交えてスカイプ会議を行う予定です。5月上旬にはイベントの内容を告知できると思います。別にもったいぶっているわけではないのですが、僕の一存では発表できないので、金魚屋のお偉いさんたち(?)のGOが出るのを待っているところであります。
金魚屋の基本方針は文学を綜合的に捉え、原理的に考えることにあります。どの文学ジャンルを取り上げようと方針に変わりはありません。問題はそれを、必ずしも自分が関わっている文学ジャンル以外に興味のない方々にどうやって伝えるかですね。僕もできるだけアイディアを出して、いいイベントにしたいと思いますですぅ。