今日から2日続けて釈照太(しゃくてりた)さんの角川『俳句』時評が掲載されます。釈さんは田沼代理人のご友人で、金魚屋執筆軍団(あんまり強そうでも偉そうでもないな~)の中では、谷輪さんと並んで最年長の方です。ようやく詩誌時評がスタートしましたねっ。
釈さんは俳句は門外漢のようなことを書いておられますが、これはご謙遜であります。田沼代理人は「釈さん、俳句について詳しいですよ」とおっしゃっていましたし、僕がお会いした時も、よく知ってるな~と思いましたもの。でも、いわゆる「俳壇」にはあまり興味がなかったようです。正確ではないかもしれませんが、記憶をたどって、釈さんにお会いした新宿ルノアールにタ~イムスリップ!(滝沢喫茶店で待ち合わせだったんですが、閉店してて焦りましたっ)。
石 「文壇、詩壇、俳壇、歌壇っていいますけど、俳壇ってどんなところですか(遊びに行ってみたひ~)」
釈 「うーん、難しい質問だね。あるような、ないような」
石 「前衛俳句は冷や飯食いだっておっしゃってましたが、俳句の世界全体をまとめた雑誌とかが、ないってことですか?」
釈 「前衛俳句の冷や飯食いは、今に始まったことじゃないから(笑)。でも、伝統俳句の世界も一枚岩じゃないですよ。群雄割拠状態っていうのかな。大きな結社がそれなりの数あって、それぞれにお殿様、お姫様がいて、小さいものですが、利権みたいなものが代々引き継がれているような」
石 「おおっ、利権。いい響きですね~。どういう利権ですか?」
釈 「言えない(笑)。怒られちゃうよ。でもまあ、俳句って、たいていの人にとっては、習い事だから」
石 「お茶とかお華みたいな?」
釈 「そうそう。僕は俳句に師弟制度は必要だと思うけど、レベルが問題になるよね」
石 「NHK俳壇みたいに、添削してもらうとか」
釈 「あれ経験してない俳人って少ないだろうね。でも、俳句初心者ばかり相手にしてると、俳人の思考もそこで固まっちゃう」
石 「なんだか謎解きみたいだな~」
釈 「うふふふ。はっきり物が言いにくいんですよ。僕は575の定型や季語は俳句に絶対に必要だと思うけど、そればっかりに執着してると、すごく視野が狭くなるってことはありますね」
石 「本屋に行っても俳句入門書は確かに多いですぅ」
釈 「俳人さんは、偉くなると、だんだんそういう本ばっかり書くようになるわけです」
石 「俳句の世界で出世ってあるんですか?」
釈 「うふふふ。だから角川『俳句』をちゃんと読んでみるのも面白いかな、って思ってね」
「うにゃっ!」と叫びたくなるやうな問答を、釈さんと繰り広げた記憶があります。釈さん、ご先祖が禅のお坊さんだったのかもっ。でも詩壇時評がスタートしたのはいいことであります。これからもよろしくぅっ!。